第80章

彼らの別荘は数十年前に村上先生自らが設計したものだと聞いていた。とても風格のある建物で、前田南が一歩足を踏み入れるなり、思わず何度も見回してしまった。

村上美咲が跳ねるように彼女を探しに来た。

「どう?まあまあでしょ?」

「まあまあどころか、素晴らしいわ」前田南は微笑みながら頷いた。

「村上先生の作品を見せていただけるなんて、光栄です」

「じゃあ、私へのプレゼント持ってきてくれた?」村上美咲は手を差し出し、愛らしく催促した。

「もちろん、あなたのことを忘れるわけないじゃない」前田南はプレゼントを彼女の手に渡した。

「じゃあ、さっそく見せてもらおうかな」村上美咲はプレゼントを受け...

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